口唇ヘルペスは、人と人との接触や物を介してもうつります。患部の直接の接触や病変部からの分泌物で感染を起こします。ヘルペスウイルスは感染力がとても強いので、もしヘルペスの症状が現れた時には周りの方にうつさないように気をつける必要があります。

症状がない時にでも唾液中にウイルスが存在していることもありますが、その場合にはほかの方に感染することは、ほぼありませんので、必要以上に神経質になる必要はありません。しかし、唾液中にウイルスが存在している可能性があることは認識しておきましょう。

口唇ヘルペスは家族間での感染が多く見受けられます。症状がある時には家族で共有しているタオルやコップなどがあれば、別々のものを使用することは大切ですし、パートナーとのキスなどをしないことも重要です。

乳幼児など小さなお子さんがいらっしゃる家族で特に気をつけたいのは、赤ちゃんとのスキンシップです。赤ちゃんに免疫がない場合には、時に重篤な症状が現れる可能性がありますから、ヘルペスの症状がある時には頬ずりやキスをするなどは絶対に避ける必要があります。また口唇ヘルペスの感染部分を触った場合にはすぐに手を洗う、赤ちゃんを触る前にも手を洗う習慣を付けることも大切です。

とはいえ、周りの方も必要以上にうつることに怯えて相手を避けるような振る舞いを行えば、相手を傷つけてしまいます。ヘルペスが起こっている患部が直接触れることや、患部の分泌液がほかの人の粘膜に接触するなどがなければ、簡単には感染するものではありませんので、必要以上に避けるようなことはされないようにしていただきたいと思います。